車庫証明と郵便物
まだ事務所を開業したばかりの頃のお話です。
知り合いの車屋さんからの依頼で、初めて営業車の車庫証明業務を行うことになりました。
早速書類を送ってもらって中身をチェックしたところ、申請書・承諾書・配置図・所在図共に問題なし。が、なぜか空の封筒が1枚同封されていました。それも、消印付きです。
「担当の人が間違えて入れてしまったに違いない。空の封筒とはいえこちらで処分するのは良くないから、納品のときに送り返そう。」、そのときはそんな風に簡単に考え、封筒を事務所に置いたまま、すぐに青葉警察署へと出向きました。
窓口に書類を出す前に、再びチェックをして(ここに来るまでに3回以上繰り返していましたが、何しろ初めての法人車庫証明で心配でした!)、受付箱に入れました。後は担当者さんが受付票をくれるのを待つだけです。
今か今かと待っていると、すぐに名前が呼ばれました。
受付票をもらえると思って窓口に行くと、担当者さんがこんなことをいいます。
「今日、会社名が入った封筒か何か、お持ちですか?」
一瞬、相手が何を言っているのか意味がよくわからなかったのですが、担当者さんの詳しい説明を聞いて顔から血の気が引きました。
今回の車は、会社の横浜支店が使う車です。本社は東京にあります。申請者住所は東京本社ですが、「使用の本拠」は横浜支店です。ですから、「使用の本拠である横浜支店が、本社とは別の場所に実在する」という証拠が必要です。それが、消印付きの使用済み封筒だったのです!
目の前が真っ暗になりかけましたが、担当者さんいわく次回受領のときに持ってくれば問題ないとのこと。ホッと胸を撫で下ろしました。
あのとき、封筒を捨ててしまっていたらと思うとゾッとします。
そんな知識もなく業務を受けていたのかとお叱りをいただくところでしょうが、過去にそういうことをしてしまったのは事実であって、今さら消すこともできません。
この記事を読んで、同じ間違いをする人が減れば幸いです。